穂高駅のロータリーの内側のところに「登頂」という彫刻が立てられています。
作者は、碌山美術館建設に貢献した小川大系という人です。
唇をぐっと結んだ、鼻が大きな男性のそばで、登頂を果たした子供が、大きな声で叫び声をあげている立像です。
抑えきれない喜びの感動を体全体で表現しています。
抑えても抑えきれない大きな喜びが表現されていて、この像を見ていると山登りの成功をつかんだ子供の姿に、これからも挑戦し続ける姿がうかんできます。
この像を写真でとるにはどうしたらいいのか、見た目にはダイナミックな印象を受けるのに実際に写した写真を見ると、小さく見えてしまいます。
以前からここにこの作品が据えられていることに気がついていました。
美術館に行かなくても、観賞できる作品が駅前にあるので、誰の作品だろうかと気になっていました。
この作品の作者は、碌山美術館の建設に大きな足跡を残した小川大系です。
あの男性の顔の表情には、子供の喜びのpowerを全面的に受け止める懐の深さを感じます。
現場で見ると大きくはないですが、顔の表情をじっと見ているとスケールの大きさを感じてしまうのです。
小川大系という人
碌山美術館建設に尽力した小川大系は、1898年11月25日生まれ – 1980年8月26日没。
安曇野市の「安曇野ゆかりの先人たち」によると、81歳で「中田又重郎」制作中に、亡くなったそうです。
「中田又重郎」という人はどういう人ですか?といいますと、「三郷南小倉で生まれた中田又重と槍ヶ岳のこと」(安曇野 大好き!)というWeb情報が出てきました。
熱心に書かれたもので、勉強になりました。長野ブログランキングで活躍中のJACKさんの記事です。
槍ヶ岳に初登頂したのは、イギリス人ウエストンではなく、1828年江戸時代に「中田又重郎」の案内で播隆上人が槍ヶ岳に登頂して開山したことがはじまりだと書かれています。
「槍ケ岳山荘からの電送」『山小屋便り』に制作中の「中田又重郎」像の写真が掲載されています。
碌山美術館入り口受付
穂高神社の御神馬
穂高神社の狛犬は、小川大系さんの作品だと知られています。
こちらの木曽馬をモデルとした御神馬も小川大系さんの作品です。
右側の掲示板にそのことが書かれています。