新潟県の糸魚川に「塩の道」関係資料保存施設「塩の道資料館」があります。
国道148号根知谷入口交差点を小谷方面から行きますと右折します。
”塩の道”の歴史を今に伝える「塩の道資料館」
根知谷の交差点には、「塩の道資料館」の案内が「ポッカ茶屋」の案内とともに出ていたので分かりやすいのだろうと思っていましたら、案内らしい案内もなく現地では通り過ぎてしまい、引き返しました。
ポッカ茶屋
ポッカ茶屋の看板が出ていますのでこれを目印にするといいでしょう。右に入っていきます。
歩荷茶屋は休みでした。歩荷茶屋と名前がついているので何か資料でもあるのかと思いましたが、スキー客相手の食堂のようです。
歩荷茶屋はスキーシーズン以外はお休みのようです。そばは、ホテルで提供するそうです。
裏にスキー場のリフトがあります。塩の道の資料館は、別のところにありました。
歩荷茶屋から見える藁葺屋根の建物が、塩の道資料館です。小高いところにあるのが分かります。
「塩の道資料館」開館情報
開館期間 4月から11月 金・土・日、祝日のみ
開館時間 午前9時から午後4時
入館料 一般 400円
小学生 100円
入口左手のツタが絡まって手入れがされていないようにみえる建物はトイレでした。
この「塩の道資料館」は民間の施設ということで維持するのが大変なようです。
さびれた印象の資料館でしたが、受付の方が熱心な方で案内してくださるとおっしゃるのでお願いしました。
「時間はあるのか」
「どのくらいあるのか」
私もあちこちの資料館、美術館、郷土資料館を見学させていただいておりますが、説明を受けるのに身構えたことはありません。
うれしいです。覚えきれないほどの説明は、必要ありませんとも言えませんのでお任せすることにしました。
しおりを頂けます。詳しいことが説明されています。
分からないことがあれば、説明の途中でも質問してくださいと親切なお言葉です。いくつか質問させていただきました。
運搬具と使用された貴重な資料706点が、平成14年に国の有形民俗文化財として指定を受けています。
この建物は、古い民家を移築したということです。中は3階まであって外から見た以上に大きな建物だと中に入って分かります。
冬の豪雪地帯の高低差300メートルもある山間部を50キロの荷物を背負い行き来した人々がいたことに驚きます。
生活のためとはいえ、過酷な労働です。当時どういう装備で運搬していたのでしょうか。
ニヅンボウと呼ばれる杖で休憩の時荷物を支えます。降ろしてしまうと次担ぐのに厄介なので立ったまま休憩をとります。
歩荷の足元をご覧ください。これはマネキンに衣装を着せたものですが、藁草履姿です。これで雪の中を歩いていきました。
雪崩を避けるため、カンテラや小田原提灯を下げて夜間に運搬作業を行っていたのではないかということです。距離は30キロほど歩いていたそうです。雪道を30キロも歩くのは、大変なことです。
歩荷が運搬するときに使用したショイコは、高さが70センチほどの小型のものが多かった。山間部の標高差の大きい地形で重い荷を長距離運搬するのに適した方法。
木枠も長方形ではなく重い荷物をつけても変形しないよう台形に工夫されています。
木材の重量を軽減するため堅木を平材にしてあります(資料館解説より)。
このくらいの高低差がありました。
当時の運搬時の作業着で、薄着なのは熱をもって汗がこもらないように、乾きが早い様にということです。
綿入れのものは乾きが遅くなかなか乾かないので風邪をひくということです。
それにしても薄着ですね。右は女性用。左が男性用。女性も従事していたということです。
信州の冬の寒さを体験すると、気絶してしまったほうが楽になれるのではないかと思います。私の場合。
糸魚川でマイナス3度、長野側でマイナス10度という説明です。
5人ぐらいでチームを組み、一人は先導役で荷物を運びませんでした。
クマや、夜盗が出てくるそうです。こういう風に隊列を組んで運搬していたと、再現した写真が飾られています。
2階や3階は民具が展示されています。
今日は、案内の方がお年を感じさせない熱血ぶりで解説して下さったので興味深く見学することができました。いい機会を得ました。
歩荷のことを知り、苦難ぶりを知ると同じ道を歩きたくなる気持ちになるようで、今日案内を受けている途中で、以前に見学に見えた方が顔を出して塩の道を歩きに来たとおっしゃっていました。
次回は何人かで宿泊しながら歩いてみる計画をたてていらっしゃるそうです。アドバイスを受けていました。
塩の道資料館開館情報
住所 | 〒949-0554 新潟県糸魚川市大字山口552 |
お問合せ | 025-558-2202 |
開館期間 | 4月中旬 ~ 11月末 |
定休日 | 月曜日 |
開館時間 | 9 : 00 ~ 16 : 00 |
サイト | 一般社団法人糸魚川市観光協会 |
コメント