ギャラリーが点在しているアートライン山麓線から脇に入ったところに「穂高郷土資料館」があります。
松尾寺の隣になります。郷土資料館の名前よりも裏手にあります「鐘の鳴る丘」キンコンカンのほうが知名度が高くこちらのほうをご存じの方もいらっしゃるでしょう。

最近この付近では温泉管の取り換え工事が行われていて通行に不便な状況ですが、この「鐘の鳴る丘」は建物の名前で、大正時代に有明温泉として買い取られ旅館として使われていたものを移築したそうです。
有明温泉は、長距離お湯を引いていたので、湯温が温泉管を流れているうちに冷めてしまい、温泉として人気がなくなりそれが原因となって倒産したそうです。
そのいきさつや有明温泉旅館の資料は、資料館の入り口に展示されていますが、お湯を温め直すとかなんとかならなかったものかとあまりにも単純な原因で、そんなものなのかと不思議に思えます。
現在温泉管の取り換え工事をするために道路を掘り返していますのでここの温泉は本物です。
資料館では、小関裕而さんをモデルにしたNHK連続テレビ小説「エール」の資料を少なめですが、展示しています。
小関裕而さんは、昭和22年から600回にわたりNHKで放映された「鐘の鳴る丘」の主題歌「とんがり帽子」を作曲された方です。
以前から資料を展示していたのですが、今回朝ドラの放映で改めてクローズアップされています。

駐車場にゆとりがありますので大勢の方の見学にも対応できます。
トイレの設備は、駐車場にあります。

小関裕而さんは福島の方なんですね。福島市にあります小関裕而記念館のポスターが貼ってあります。

この資料館に展示されている品々が、骨董品のようです。ここが郷土資料館でなければ骨董市です。コンペトにのり、馬を操る穂高人形の姿が面白いです。
こういうコンペトを工夫して作り農作業の簡略化を考えた先人たちの知恵がいいですね。
泥の田んぼの中に入らずに、作業をするのは、今の田植えの原型だと思います。

コンペトの解説です。名前がユニークです。

鬼瓦やら行灯やらカンテラやら販売されるわけではないのですが、アンティークの数々。
整理はされているものの数が多いため歴史的なつながりを紐解くには、専門家の力が必要。当時こんなものを使って生活していたよという感じがわかります。

穂高人形で再現した農家の生活。よくできていますね。当時ポスター一枚も大事にされていたのでしょう。
こういう郷土資料館に入ると独特のにおいがします。かび臭いような、何でしょうか。

寄贈されたものに一つずつ名前を付け整理されているのですが、あまりにも多すぎるような感じで時代のつながりがわからない。
いつの日か日の目を見るのか、それともここに置かれて保存だけされて終わりになるのでしょうか。



藁草履、かんじきなどに混じって農工具など。

2階に上がって一番手前に展示されています。はたご(織機)。
最初小谷で見たぼろ織りをここでもやっているのかと思いましたらそれとは、全く異なる織物でした。
山繭からとれる天蚕̪糸は染料がなじまないのでそこだけ別の光沢を放っています。
ですから、展示物を見ると刺繍を施してあるような風合いになります。

年代物のオルガン。これだけ小さいオルガンも珍しい。学校で使われていたのでしょうか。

文書類の保存がかなりな量そろっています。

ひな人形はこの地方独特の作りで近隣の郷土資料館は大体展示してあります。

大昔から肥沃な土地に恵まれていて、各時代時代の土器が発掘されて展示されています。
土器にも個性があって、色彩も個性的で特徴のあることが分かります。
単調な土器には見えません。県宝に指定されている広耳把手付土器は、デザインも縄文時代の物とは思えないデザインです。
私がこう述べても信俵生に疑わしいでしょうからご自分でご覧になってください。


合戦で使われた鎧や兜が展示されていますがすごいですね。合戦で使われたという証拠に片腕がなかったり、破れていたりしています。
合戦で使われたといいながらどこに傷もついていないものでは、本当かどうか疑わしいですが、この展示品は本当に身につけたもののようです。

最後に安曇野市穂高(牧)生まれで北アルプスガイドで「喜作新道」を切り開いた「小林 喜作 」さんの狩猟につかったという道具類が展示されています。

これでクマやカモシカをを仕留めたのです。なん100頭も。
穂高郷土資料館 開館情報
住所 | 〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明7327−72 |
お問合せ | 0263-83-8844 |
開館時間 | 8 : 30 ~ 17 : 00 |
定休日 | 月曜日 |
祝祭日の翌日/12月28日~2月末日 | |
サイト | 安曇野市穂高郷土資料館 |
コメント