
牛方宿とは、うしかたやどと読みます。宿場町の宿ではありません。千国の番所の先にあります。千国の番所からそのまま栂池方面に上っていきます。

牛方宿
県宝に指定されています。

かやぶき屋根の建物で江戸時代末期に建てられたものだということです。塩の道千国街道筋に何軒もあった牛方宿ですが、現存するのはここだけ。
国道からここに来るまでの間にかやぶき屋根の民家を見かけましたが、昔の人は、よく大きな家を建てられたものだと感心します。100年住宅といいますが、こういう建物は、100年どころではなく何世代にもわたって引き継がれていく頑丈なつくりです。


受付の下にあるただし書き。夜間は、くぐり戸を使って出入りしていたとのこと。

馬屋、牛を5,6頭入れることができた。

牛方は牛の様子を見ることができるように二階で寝ていました。
牛方は、一人で牛を5,6頭引き連れて塩を運びました。この宿は、牛 方と牛が一緒に泊まれる施設として使われていました。沿道の百姓たちが農閑期に従事していました。

受付のお姉さん(ということに)が気さくな人で解説もしてくれた上に上がって見て行ったらどうかと勧めてくださったので遠慮なく拝見させていただきました。
「千国の庄」はよく整備されていましたが、ここは当時の生活の息遣いがしているようで生々しい。タイムスリップしたよう。厳しい仕事の合間に談笑したりしてくつろいでいたのでしょうね。

若干すすけた達磨。小さいのもあります。

神棚。柱から壁まで真っ黒。古いタンス。使い込まれたとって。
国道沿いに民芸品を売っているリサイクルショップがありますが、そこでも見かけたような気がします。アンティークというには、違和感があります。生活の道具。

縁起物のお多福の面。


階段でありながら、引き戸があって収納できるようになっていました。

囲炉裏。大きいものではありません。

ここに濡れた衣服を干していたということです。

衝立も時代がかっています。

廊下。この雨戸の薄さ、よれよれ。板が薄くなって摩耗しています。年代を感じますね。下の板、隙間が空いていて土が見えます。
冬は、下から風が抜けていき、寒いぞこれは。寒いというよりも凍える冷たさ。
雨、露をしのげればという言葉がありますが・・・

当時の生活感あふれる空気そのもの。

側面。屋根をこんな風にうまく加工してあります。
塩の道ギャラリー
隣の建物「ギャラリー」に移動。

ギャラリーとは何なんでしょうか。民具でも置いてあるのだろうと思っていましたら、違いました。
この塩の道を訪れた人たちの思い思いの気持ちを表現した作品を展示してある空間でした。

多少の民具も置いてありますが、ご覧の通り作品展示室です。

昔も今も空き巣には、色々知恵を絞って防いでいましたね。

風景画。小さな美術館。名のある人も名の無き人も。いにしえの人や時代に思いをはせて。



個人的に気になった作品。
塩蔵


塩の道の文化遺産、塩倉の外見。鍵がかかっています。この建物は釘が一本も使われていません。
牛方宿を降りてきたところ塩の道の道しるべがあります。
今でこそゆるい坂になっていますが、昔の道は険しい坂道でしたね。

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小谷村郷土館
小谷千国番所 千国の庄史料館
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